メック機体解説
二足方向人型メックは、規格化され共通した内部フレームを持っており、あらゆる環境に対応できるようになっている。この共通フレームがあるからこそ異なるサイズや異形のメックが登場しない理由になっており、また各陣営での運用での運用に違いが出ていない結果になっている。フレームに肉付けされる形でモジュール化された各パーツが換装できるようになっており、旧時代には積載する装甲量によって軽量級(1L級)、中量級(2M)、重量級(3L)というクラスに分けられていた。
フレーム内腹部には反応炉「リアクターコア」を搭載し、メックを動かす動力源となっている。リアクターコア自身も交換品となっているほど規格化は進んでおり、作戦に適したリアクターコアの適用が作戦効率を左右する。コアの積載サイズの関係でコクピットは背面頸部へと移されており、機体損傷時には脱出ポッドとして作用し、背後上空へ大きく排出される。脱出機構の関係では背面装甲は弱点となっており、メック背面からの攻撃はコンカッションを受けやすい。
メックの全身を形成する各パーツのハードポイントにサブシステムと呼ばれる規格モジュールを搭載・交換することができる。コスト削減の量産型(コモン)では生産重視のため直接溶接され取り外し不可のものもあるが、アンコモンやレアと呼ばれる高品質のパーツについては基本的にサブシステムを交換することができ、戦況に対応できる柔軟な運用が可能。
アロー(Arrow)

アロー1L

アロー2M

アロー3H
JNI グループが製造する「アロー」シリーズは、整備の容易さとコストパフォーマンスの高い大量生産に最適化された汎用性の高い製品ライン。
機体名 | 重量 | 速度 | ブースト | 放熱性 |
---|---|---|---|---|
アロー | 22 | 5 | 12 | 7 |
JNI グループは旧大戦中に立ち上げられた企業で、機体外観の特徴でいえば、よく言えばロボットらしい、悪く言えば古臭い、昔ながらのプロダクトデザインとなっている。現在もデザインの美学は変わらず、線とブロックで構成されるような保守的なデザインが使われている。
「アロー」シリーズは、その汎用性から多種多様なバリエーションの派生があり、軽量クラスから重量クラスまで網羅し、様々な戦場で活躍している。
基本装甲にバリア機能を実装しており、散弾系の威力の弱い攻撃ならダメージ無しに通過しカウンター攻撃できる戦術がある。逆にいえばバリアを貫通してくる攻撃に弱く、特にバルカンなどの重火器と対峙した際に相性が悪い。
アロー1L型は軽量で推力が高く、機体特性として高速ダッシュ移動による戦闘を得意としている。しかしブースターを増設できるスロットがないため、推力に限界がある。
アロー2M型はバランスが良く、様々なビルドに対応できる汎用性が魅力。カスタマイズで好みのスペックにもし易い。
アロー3H型は重装型で、高火力と高機動を実現している。反面、放熱性に関する問題をクリアできるビルドが無く、連続稼働が難しい機体となっている。雨天や寒冷地など熱を気にしない環境下での運用では問題ないところだが。
ノックス(Knox)

ノックス1L

ノックス2M

ノックス3H
機体名 | 重量 | 速度 | ブースト | 放熱性 |
---|---|---|---|---|
ノックス | 18 | 7 | 12 | 8 |
JNI グループが製造する「ノックス」シリーズは、整備性と量産性を最適化した汎用性の高い二足歩行人型メックである。
ライバル機である「アロー」シリーズと比較すると駆動面では遜色ないが、技術面で大きく差を開けられており、古臭いシステムのためにバリア装甲を実装することができていない。しかし余分な機能を排除した物理的信頼性の高いベーシックな機体としてベテランパイロットを中心に人気が高い。
ノックス1L型は特に重量のカスタマイズに優れており、軽プレートを使用した超軽量クラスのビルド、重装甲にしたビルドと両極端のビルドができるのが特徴。砲台型としても一撃離脱型の戦術でも活躍できる機体となっている。
ノックス2M型は高機動タイプで機動力に優れ、スピードを活かした戦術を得意とする。フランカーとして臨機応変に対応したい人向け。両腕に機動モジュールを付けられる唯一無二のメック。
ノックス3H型は高火力タイプで、フェイス装甲の形状でパイロットに人気が無いものの、攻撃面に特化したカスタマイズが魅力的なため、命知らずのアタッカー達に人気の機体。射程を伸ばしたり弾道を収束させたり連射性能を上げたりと、武器をアシストするサブシステムの搭載が可能なため、攻撃力の高いビルドが多い。
エルブルス(Elbrus)

作業用重機を原点とする、初期の量産型メック。20年ほど前に生産終了となっていた機体だが、現在でも鉱山や伐採、建設などの民間業務で現役で使用されている。整備が非常に簡単で、信頼性の高い製品として評価されている。
機体名 | 重量 | 速度 | ブースト | 放熱性 |
---|---|---|---|---|
ノックス | 25 | 4 | 12 | 7 |
老舗メーカーから長く販売され市場で愛された名機で、中量級というクラスもあり平均的なスペックを持つ特徴の無い機体。
大きな弱点らしい部分は無いが、古めかしい設計のため機体が重く、サブシステムによる拡張が必須になっている。
ツバサ(Tsubasa)

JNI グループが製造する軽量級メック。独特な形状と構造、高度な設計による軽量化から高い機動性を実現し、機体を敵のセンサーに補足されにくくする工夫がなされている。
機体名 | 重量 | 速度 | ブースト | 放熱性 |
---|---|---|---|---|
ツバサ | 21 | 6 | 12 | 9 |
高速機動型メックで物理的な積層装甲を外し最新鋭のバリア装甲で羽毛のように機体を覆うことで防御力を維持しつつ軽量化を実現している。バリアを形成するためのエネルギー源となる液体リペアの消費が多いことが難。各所のエアインテークから空気を取り入れる冷却装置により高い冷却性能を誇る。
駆動系に斬新な機構を採用しており二脚による高速地上走行での戦闘可能だが、複雑な構造のため自損・障害による機体トラブルも多い。特に独自の姿勢制御プロトコルを持つため他のメックと部品の共有ができず、現存機体の中でブースターの増設ができない唯一のメックとなっている。
アスガルド(Asgard)

侵略軍が正式採用している標準的な重装甲メック。最新のバリア装甲を搭載していないため、現代の基準からするとやや時代遅れで、防御性能も平均以下である。良い点としては、現場での整備が容易なことだ。
機体名 | 重量 | 速度 | ブースト | 放熱性 |
---|---|---|---|---|
アスガルド | 30 | 4 | 12 | 7 |
中距離以上での砲撃ユニットとして使われることが多く、重装甲に高火力の装備をさせるビルドが一般的。装甲の内側に熱がこもりやすく、冷却機構を向上させるためのパーツの有無が戦況を左右している。
ヘビー級メックの中でも前線で盾を持たせたタンクとしても優秀。
ヘルゲ(Helge)

JNI グループが製造した「ヘルゲ」は、傭兵部隊や企業のSP部隊で広く使用されている重装甲型である。その高度な複合構造のパーツは修理を複雑にするが、平均よりも高い防御性能を発揮する。
機体名 | 重量 | 速度 | ブースト | 放熱性 |
---|---|---|---|---|
ヘルゲ | 29 | 4 | 12 | 6 |
ヘビー級メックながらカスタマイズにより高速突撃型へのビルドも可能。特にブースターを増設したビルドでは爆発的な前進力による踏破力は魅力。
熱対策への配慮が少ない機体であり、連続攻撃の戦術は合わないユニットでもある。
ベイン(Bein)

侵略軍が実験段階で戦場に投入している試作機。総合的な性能は市販のミドルクラスの機体と同等だが、互換性のあるパーツが少ないため、現場での修理が複雑になることが多い。
熱伝導率の高い外部装甲素材を使用し、最高の冷却機能を使った連続攻撃を得意としている。
装甲板の増減によるカスタマイズが現地改修の基本だが、実機として戦場で使用されるより、各パーツに分解されて熱対策装備として他機体に流用されることの方が多い。
ビダール(Vidar)

タイセツ工業で少数が限定生産されたラインアップの一部。特殊な形状を採用することで、弾丸の軌道を逸らすことに有利であると同時に、敵のセンサーに感知されにくくする技術を実現している。特殊装備やパーツが多いため修理が難しく、実戦ではほとんど見られない。
ブラックバード(Blackbird)

タイセツ工業が開発した試作機。部分的なパーツが数点確認されているのみで、組み上がった機体が存在するかは不明である。OSレベルで火器管制システムソフトウェアが最適化されておらず、近距離戦闘に問題を抱えている。
ヘビークラスに肉薄する火力と機体バランスを両立する、攻撃型のメックとなっている。
試作機として高性能メックを目指して開発されたようだが、実際には平均的なスペックしか実現できておらず特徴の無い凡庸な機体となっている。機体コンセプトも分かりにくくなっており、どのような運用を目的としていたのか謎も多い。脚部の形状から一部の軍事マニアから可変機構の実験機ではないのかと噂されていたが、そのような機構は無い。
機体表面にカモフラージュ迷彩が浮かび上がる特殊な装甲を使用している。